女性ライダー

ハーレーで日本一周した牧ユイさんが、旅で手にした”大切なこと”

『大切なのは、自分が今どこにいるかではなく、何をしていて、それが何につながっているのかを考えるようになりました』

日本一周ライダー 牧ユイさん

フリーランス生活も1年が過ぎたころ、受信トレイに届いた一通のメール。

2016年12月12日(月) 12:39
「会社員を退社しバイクで日本一周などしたいと考えております」

このあと彼は有言実行。翌 2017年、日本一周を達成された。

プロフィール
◆Name:牧 ユイさん
◆愛車:HARLEY-DAVIDSON FLSTC
ソフテイルヘリテイジクラシック ’98y
◆旅した場所:日本一周
◆旅のルート:愛知県から時計回りで出発→淡路島→四国→関西地方→中国地方→九州→沖縄→九州→日本海側で本州縦断→北海道→東北→長野県でバイト→東北→関東→帰宅
◆旅した期間:2017年4月9日〜9月28日 (計173日)
内7月28日〜8月29日までバイト(計33日間)
◆過去のバイク歴やバイクに乗るきっかかけなどは、サイト『SIDE-TRIPPER』へ

日本一周のきっかけ

”日本一周”。とても大きな決断だけど、きっかけは小さな一枚の絵画。

SIDE TRIPPERのブログ『退職への決断~脱サラして旅へ~2017/3/31』より。

わたしの元には、”会社をやめたい”とか、”日本一周をしたい”といったメールがたまに届く。しかし、実際に”会社をやめた”という報告は、牧さんが初めてだった。「やっぱりな」、彼ならやってくれると信じていた。



牧さんの日記の中より特にお気に入りのログ

◇数えきれない思い出

旅の途中に不安になったり

いままで味わったことのない感情だったり

”感謝しないと”じゃなく、”感謝しちゃう。感謝しかない。”

読んで欲しい、この旅について

トライアンフかけつけた グランマ 薫さん

旅の終わり

ラストは、「もういい加減帰ってきなさい」とおじいさまに、呼び戻されたようだ。

人生100年時代と言われている現代から考えれば、半年弱という期間は、ほんのヒトコマだ。それでも、やりたいと思いながら、牧さんのように行動できる人は、そう多くはいないだろう。

これを読んで「いいなぁ」と思ったあなた、牧さんのサイトをのぞいてみてはどうだろう。何かヒントが隠されているかもしれない。

八ヶ岳のバイトの前に立ち寄ってくれた横浜。念願かなう

スポーツ民宿「しんたく山荘」の大将より「バイトが必要なんですが、マーシャさん、どうですか?」と連絡あり。行きたいのは山々だったが、横浜を抜け出せる状況ではなかった。大将にお断りしようと思ったととき、ふと、日本一周中の牧さんを思い出した。早速、メッセンジャー。

マーシャ 牧さーん。5日間のバイトですが、いかがでしょう~?
牧さん OK! 旅館なら坊主にするので、その前に横浜に寄ります。
マーシャ んまー! んじゃ坊主にできるところも手配して、お待ちしております!

トントン拍子に事は決まり、旅の合間に、ほんとうに横浜に来てくれた。

若さと自由を満喫している彼からは、おさまりきらないエネルギーが体中からあふれ出ていた。

愛を感じた旅の大切なパートナー。日本一周の荷造りについては→牧さん流、日本一周ソロツーリング積載方法

防水テープで止められたウインカー。長旅の過酷さを感じる。

洗濯物を干すのに、クリップを代用。ナイス、アイデア!

手書きのルート、ワクワクが止まらない。

念願のご対面、とにかくうれしかった。会社を辞める前から話していたので、自分事のように感じていたこの旅。そんな彼が、わざわざ来てくれたのだ。疲れていることをねぎらうことも忘れ、いろいろ語った。旅の話、バイクの話、将来の話。家族思いのとても魅力のある人だった。まったく話は尽きないものの、 河岸を変えて、夜ごはんへ。

バイクの免許持ちの仲間に声をかけたら、急にも関わらず集まってくれた。お店は大好きなヴィーガンカフェ『2 bananeira.』さんにて。

バイクや旅のこと、みんなで質問攻めになっていたが、ニコニコ答えてくれた。

・カサカサという音怖い。なるべく人がいるところを選ぶ
・暗い道は走らない
・無理しない
・山口県はいい人が多い
・いいと思ったら拠点にして、数日滞在

仕事も年もバラバラの4人。共通ワードは、”バイク”。よく笑い楽しい時間が過ぎていった。

明け翌日は、メインイベント”ヘアチェンジ”。元モータースポーツ雑誌業界出身のオーナーさんが営む理容店『Barbieria GARAGE(バルビエリーア ガラージュ)』さんへ。

オーナの愛車、ドゥカティが展示されている。童心をくすぐられる遊び心満載の店内。

いよいよ断髪式!

似合うなー!

オシャレなオーナーさまとパシッ、キマッタ。 

そのまま江の島へプチツーリング。なぜか迷う、いつものことながら申し訳ない。

前にもお邪魔したカフェへ

ここで解散。わたしは仕事、牧さんは海沿いのツーリングを楽しんだ。

旅立ち。あっという間の二泊三日だった。

レザークラフトが趣味らしく、帰りがけに「お世話になったからと」手作りのコースターをプレゼントしてくれた。

使い込まれた2枚のコースター。いろいろな思い出が刻まれているであろう大切な品を、差し出してくれた彼の思いに、胸が熱くなった。仕事で大したおもてなしもできなかったのに、申し訳けない。ありがたかったし、うれしかった。きれい心の持ち主、気持ちのいい笑顔でお別れした。ハーレーの胸躍るエンジン音を響かせながら、次の目的地”八ヶ岳”を目指して走っていった。

日本一周を終えた牧さんへ、3つの質問

この記事を書くにあたり、あらためて気になっていた質問を投げかけた。

ー旅する前と後では、何が変わりましたか?
牧さん そうですね。大切なのは、自分が今どこにいるかではなく、何をしていて、それが何につながっているのかを考えるようになりました。大切にしてきた”事や物”は、なくなっても案外平気で、本当に大切な物の見極めが大切なんだと。

あとは、雨風しのげれば上等で、生活水準が下がっても気にならなくなりましたね。水や電気があって、トイレも直ぐ側にある、ならOKでしょ?って(笑) ”何事も挑戦!”とは言うけど、まずは小さい事から挑戦すれば挑戦すればいいんだなと思いました。自分ができる範囲の”もうちょっと頑張る”という程度から。

ー今後走ってみたいところは、どのあたりですか?
牧さん 海外!とか言ってみたかったけど、まだまだ日本を走りたい。とりあえず九州。

ー日本一周をしたいと思っている人へ、一言お願いします
牧さん くじけても諦めてもいいと思います
。後、耳かきは持って行った方がいい!

迷い悩みながらも決断をしてアクセルを開かないと、先に進まない日本一周。「くじけても諦めてもいい」という言葉の後には、「でも、また、小さく挑戦し続けようよ。気が付けばきっと、ゴールにたどり着くから」という、応援メッセージが込められているよう。成功者にしか言えないセリフ、長旅の重みを感じた。

まとめ


”これでいいのか?”と思うなら、まずはやってみればいい。しかも”すぐ”。
そういう瞬発力や決断力、それにともなう行動力の必要さを牧さんからは教わった。

道を選ぶにも、勘を養うにも、若いうちから行動する習慣があるといい。遅すぎるはないけど、早すぎるもないんだと。

牧さんは、旅が終わると地元を飛び出し、新しい人生をスタートしている。新天地で牧さんと何につながるのか、楽しみで仕方がない。

あとがき

長かったですねー! 最後までお読みいただき、ほんとうにありがとうございました。実は牧さんの記事は、半年以上も前から書き始めていたのに、伝えたいことがありすぎて、まとめきれずですが、一度生み落としました。いかがでしたでしょうか。

牧さん、ありがとうございました。そしてこれからも、どうぞよろしくー! ホント、遅くなってごめんチャイ。

【今までご紹介した旅人】
◇#3. トライアンフ ボンネビルで旅したグランマ 薫さん
◇#2. 日本も世界もグル~グル 旅行家 藤原かんいちさん/写真家 藤原感市さん
◇#1. リトルカブで日本一周 だいどんちゃん

追記:牧さんのマネをして、ソーラー生活はじめました♪

記事に登場したお店情報

◇『2 bananeira. ドイス バナネイラ』
WEB:http://2bananeira.com/
ADD:横浜市青葉区柿の木台3-20
(東急田園都市線「藤が丘駅」徒歩6分)
TEL:045-482-7871

◇『Barbieria GARAGE(バルビエリーア ガラージュ)』
WEB:https://www.facebook.com/GarageKitayamata/
ADD:横浜市都筑区北山田2-4-21 1F
(市営地下鉄グリーンライン「北山田駅」徒歩3分)
TEL:045-591-3838



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